実際の指導現場や、親御さんからの相談をもとに、参考になりそうな点やアドバイスをピックアップしてご紹介します。
- 「約束事は言い方次第」
- 子供との間で「〜はしちゃダメだよ!」という約束をしている親御さんも少なくないと思いますが、約束はどうしても子供を束縛するものになってしまい、子供から考える力を奪ってしまいます。
束縛ばかりになってしまうと、毎日の生活が窮屈なものになり、楽しくなくなってしまいます。そこで、「〜しちゃダメだよ!」という言い方から「〜すれば、もっと〜になれるよ」という風に言い方を変えてみてください。どうしたら良いのか、という具体的な指針を示してあげることで、お子さんのやる気を育てることにも繋がっていきます。
- 「1日のスタートは」
- 毎朝顔を見て、「おはよう」と挨拶してますか?挨拶のない家庭では、会話は弾みません。また、毎朝子供をどのように学校へ送り出していますか?親御さんに怒られて暗い気持ちで家を出るのと、笑顔で気分欲送り出してもらうのでは、全然違った1日のスタートになります。朝、どんな気持ちで家を出たかによって、その日一日の子供の心理状態は大きく左右されます。そして、このような積み重ねで、子供は親御さんからの愛情を感じることができ、安心できるのです。何か怒りたい事があっても、朝はグッと我慢して、出来るだけ笑顔で気持ち良くお子さんを送り出してあげてみてください。
- 「比べられると…」
- 「お兄ちゃんを見習いなさい」とか「お友達の○○君は勉強できるのに…」などとつい比較して言ってしまうことはありませんか?比較されて叱られると恨みを覚えてしまったり、逆に褒められると相手を見下してしまう、という可能性があります。当然ですが、子供はそれぞれ考え方や性格が全く違います。比較するのではなく、一人一人の個性を尊重し、それぞれの良い所を認めてあげてください。そうすると子供同士の間でも、自然とお互いを尊重しあえる関係が築かれていくはずです。
- 「否定的な言葉は禁句」
- 子供に対して、ちょっとした冗談のつもりで、「頭が悪いね〜」「とろいんだから」とか、「鼻が低い」「背が低いから…」など、子供のことをけなすような事を言ってしまったことはありませんか?
たとえ冗談半分で言ったことでも、親御さんが子供に対して言う否定的な言葉はマイナスな効果が大きく、深く傷つけられ、大人になっても消えないコンプレックスとなってしまいます。親御さんからの一言は、意外と心に残ってしまうものです。このような言葉を言わないように、注意が必要です。
- 「マイナス言葉の暗示に注意!!」
- 「本当に物覚えが悪いね」「私に似て頭が悪いから」子供に対して、こんなことを言ってしまう事はありませんか?このような言葉を何度も言われると、子供は「僕は物覚えが悪いんだ」とか「生まれつき頭が悪いんだから、勉強が出来なくても仕方ない」と考えるようになってしまいます。
このようにマイナスな言葉で言うのではなく、「本当は頭が良いんだから、やればできるよ」「一生懸命やったんだから、次はいい点取れるよ」などと、子供の良いところを見つけ、常に“プラスに繋がる言葉”を心がけて接してください。プラスの言葉が子供の自信とやる気につながり、努力していくことを覚えていきます。
- 『早くしなさい!』は逆効果?
- 何度言ってもやろうとしない、いつまでもダラダラしている…そんな子供の様子を見るにつけ、「早くやりなさい!」等と何度も言ってしまっていませんか?
そのように言いたくなる気持ちはとてもわかりますが、子供もそのうち「うるさいなー」という反応になり、やる気が失われていくばかりです。小言や催促の言葉というのは繰り返される程に効き目がなくなってしまい、逆効果になってしまいます。こんな時は、「何時までにできるの?」というように、子供に決定権を与えた上で時間を限ってみてください。そうする事で、子供も自分なりに見通しを立てるようになります。
人間は、時間を制限されると仕事や勉強への意欲が高まり、集中力が上がります。ただせかすだけのではなく、時間的な目標を与えたほうが効果的なのです。そして、ちゃんと約束の時間内にできたなら褒めてあげることも大事です。その達成感で、子供は言われなくても自分からやるようになっていきます。
- 「ゲームやマンガ・TVは時間を決めて」
- 子供がゲームやマンガ、TVなどに夢中になって全く勉強をする気がないとき、「ゲームはしちゃダメ!」などと禁止していませんか?頭ごなしに禁止されても、子供は納得しません。そればかりか、人は「禁止されると余計に欲する」という心理的な傾向があるので、よけいに執着してしまう可能性さえあります。
親御さんが何を心配しているのかを、子どもに具体的に伝えてみてください。子供自身が自らこの問題を解決しようという気持を持たせることが大切です。その上で子供と話し合い、1日〜時間までと時間を区切ったりして、自由にできる時間を決めてみてください。そうすることで、メリハリがつき、きちんと気持ちを切り替えて勉強に集中できるようになります。
しかし、子供と話し合わないで決めてしまうと、ただの一方的な押し付けになってしまいます。必ず子供と一緒に決めてください。また、一緒に決めた時間内は、「勉強しなさい」という言葉は禁句です。お互いに約束を守るようにすることで、子供も納得できるはずです。
- 「早寝・早起き・朝ごはん」
- 朝ごはんをしっかり食べる事は、頭の回転を早くすると言われています。しっかりと朝ごはんを食べることにより、頭の働きを向上させ、朝から学校の授業をしっかり受けられるようになります。また、人間の脳が活発になるのは、起床してから2時間後と言われています。学校はだいたい8〜9時頃から授業が始まるので、7時前に起きた子供はちょうど脳が活発になり、1時間目から授業に集中することができます。逆に遅寝遅起きだと、脳がまだ働き出していないため、授業に集中できない可能性があります。これを何年間も繰り返すと、同じだけ授業を受けているのに、自然と学力に差が出てきてしまいます。まずは、早寝早起き・朝ごはんをしっかり食べるなどの生活習慣を身につけることが、学力・実力を伸ばす第一歩です。
- 「過去の過ちを蒸し返さない」
- 子供を叱るとき、昔の失敗を「あのときも○○したわよね」などと引っ張り出して咎(とが)めることはありませんか?たとえ関連する話であっても、過去の話を持ち出して、その事まで叱るというのは好ましくありません。大人でも、一度謝って反省した失敗を度々持ち出されたら、とても嫌な気持ちになってしまうと思います。同じように、もう十分反省している過去の失敗を引っ張り出されたら、子供は裏切られたような気持ちになり、「どうせ同じことを言われ続けるんだ…」と自虐的になってしまいます。これでは反省する気持ちも薄れてしまうので、叱るときにも注意が必要です。
- 「小さな過ち・大きな過ち」
- 子供の小さな過ちをいちいち叱るのではなく、大きな過ちをしたときに徹底的に叱るべきだ、と一般的に思われがちですが、これは逆です。
大きな過ちをした場合、子供は自分で「悪いことをした」と十分自覚することが出来ます。でも、自分でもわかっていることを言われ、ひどく叱られてしまうと、反省しかけていた気持ちも薄れてしまい逆効果です。それよりも、その事について子供自身の頭でじっくりと考える時間を与え、自分自身で反省させて、その上でその事についてゆっくりと教えていくことが必要です。
逆に小さな過ちの場合は、気付いた時にその場ですぐ注意することが大切です。小さな過ちは数が多く、すぐに忘れてしまいがちです。ほんの小さな過ちであっても見逃すと大きな過ちにつながる危険もあります。大きな過ちはゆっくりと、小さな過ちはすぐその場で注意していくようにしてみてください。
- 「注意の仕方とタイミング」
- どんな子供でも注意されることは嫌なものです。そのような時は、子供のタイミングに合わせてあげるとうまくいくことが多いです。まず、どのタイミングだったら素直に聞くことが出来るのかを探ってみてください。親子だったらそのタイミングが似ているかもしれません。そして「○○もできたらもっとスゴイよね」と決して嫌味にならないように注意してみてください。子供は間違いを指摘されたことを気づかずに自然と、もっと頑張ろうかな、という気持ちになっていきます。
また、注意する時は子供の人格そのものを否定するのではなく、行為自体を否定する事が大切です。注意の仕方とタイミングで子供の受ける印象や受け止め方が大分変わってきます。
- 「皮肉めいた言葉はやる気を失う」
- 例えば、子供が珍しくテストでいい点を取ったとき。心の中では喜んでいても、「雨でも降るんじゃない?」と照れくさくてつい皮肉めいた言葉を言ってしまう…。例えば、子供が部活や大会でいい成績をとってきたとき。「運動はできるのに、勉強は全然ダメね」とつい関係のないことを引き合いに出して、素直に褒めてあげることができない…。これでは子供はますます勉強に対してやる気を失うばかり。こういう皮肉めいた言葉は厳禁です。子供がやる気を見せた時、親御さんに認めてもらえないと、子供のプライドは傷つけられてしまい、やる気が奪われてしまいます。「すごいね!」「よく頑張ったね!」などと、親御さんが喜んでいる気持ちを素直に言葉に出して伝えてあげてください。また、「運動もできるんだから、勉強だって頑張ればできるよ!」と言い方を変えるだけで、プラスの言葉にもなり、子供のやる気をさらに引き出す事ができます。
- 「プラス思考で」
- 子供を見ていて「この子は今後伸びていくのか…」と悲観的になってしまう事はありませんか?。
子供を伸ばしたいと思ったら、まず子供の可能性を信じてあげることが肝心です。「この子は伸びるのか…」ではなく「この子は伸びるんだ」と思って応援してあげてください。そうすると、子供も安心して自分の力を発揮することができるようになります。プラス思考で子供に声をかけると、大分印象も違ってきますし、子供もプラス思考になっていきます。
- 「思春期の距離感」
- 思春期の子供は、親御さんとの距離を取りたがります。これは誰でも一度は通る道。大きな目で自立心の芽生えと受け止めてあげてください。しかし、ここで大切なのは子供との距離。子供が嫌がるからと言って全く話をしなくなったり、子供を避けるような事はしてはいけません。無視されても、「うるさい」等と言われても、ある程度のコミュニケーションは取るべきです。子供の本音は「本当は話をしたいけど、親と話をするのは何か恥ずかしい」というところにあります。本当は相談したいことがあるのに、親御さんに避けられてしまったら…いつしか子供は本当に大切なことも親御さんに相談しなくなってしまいます。
思春期の子供とは、程よい距離感が大切です。
- 「三日坊主」
- 三日坊主を治す為には、例外を認めない事が大事です。例えば、毎日子供がやると約束している手伝いや日課(お皿洗いやお風呂掃除、宿題など)があるとします。ある日、約束のお風呂掃除を何度言ってもなかなかやらず、お母さんは何度も言うのも面倒になってしまい、「今日だけだよ!」と言ってやってしまったとします。そうすると、その後もやったりやらなかったりするようになり、そのうち全くしなくなっていってしまいます。一度でも例外を認めてしまうと、一度が二度、二度が三度と、取り返しがつかなくなってしまいます。『しつけの基本=一貫した態度と継続させること』です。「約束はしっかり守る」ことを徹底することで、子供の忍耐力と持続力がついていきます。
- 『どうでもいい』=『困っている』
- 子供は親御さんに質問されたとき「どうでもいい」とか「関係ないよ」などと答えてしまいがちです。しかしこれは、“自分は困っている”というSOS信号です。「どうでもいい」という言葉の裏には「本当はどうでもよくないけど、どうでもいいふりをすれば、自分が傷つかなくてすむ」という本音があります。「じゃあ勝手にしなさい」等と突き放して言ってしまったら…子供はますます不安になってしまいます。そういう時は「私はあなたの味方だよ」という気持ちで、「何に困っているのか?」「それはどうしたら解決できるのか?」という事を一緒に考えてみてあげてください。子供は照れて「ほっといてよ」というような反応をするかもしれませんが、いつでも味方でいてあげる事で子供は安心感を持ち、“自分は一人ではないんだ”という自信が湧いてくるはずです。
- 「叱る時は理由も添えて」
- 子供は叱られても「何で怒られているのか」「何が悪かったのか」を理解できていないことがあります。“何故怒られるのか”が分からなければ、当然子供は反抗しますし、また同じ事を繰り返してしまい、悪循環です。
「〜は、〜だからしちゃダメだよ」「〜をすると、〜になっちゃうから危ないよ」という風に、理由をしっかりと子供に理解させながら叱ることが大切です。
- 「ありがとう」「ごめんなさい」
- 最近、「ありがとう」や「ごめんなさい」を言えない若者が増えていると聞きます。人に感謝を伝える事、素直に謝ることができる事、子供がこれから人生を歩む中でも非常に重要な言葉です。
このような言葉は、小さい頃から自然に口をついて出てくるようになる事が大切です。親御さんも、家庭内で意識して、普段から使うようにしてもらうと、子供は「ありがとう」「ごめんなさい」の大切さを理解し、自然に使えるようになります。
- 「携帯電話」
- 「ケータイが欲しい」と言ってきたとき、頭ごなしにダメと言っても子供は納得しません。現代の子供同士のコミュニケーションをとる方法として使われているので、親子でしっかり話し合う必要があります。ケータイを持っていないがために、仲間はずれにされる…等という事も有り得るからです。
「有害サイトへのフィルタリング」「料金の上限を決める」などのプラン設定をすることが出来ます。また、「ケータイは食事中や夜遅くまで使用しない」「知らない人とメールをしない」等の“わが家の約束”を決めることが大切です。
- 「うそをつく」
- 子供が嘘をついた時、「何でうそをついたの!?」と感情に任せて怒ったり、責めてしまうことはありませんか?でも、大人でも嘘をつくことはあります。こんな時は冷静に、子供が何故嘘をついたのかを考える必要があります。
子供によっては自分を正当化する為に嘘をついたり、思い込みや思い付きで何でも話してしまったりします。子供の嘘は「愛されたい」「認められたい」というサインです。あまり神経質になりすぎず、「何故嘘をついてはいけないのか」を話してあげてください。また、確信犯的な嘘や、他人を困らせたり、嫌がられるような嘘は悪いことだとしっかり教えてあげることも重要です。小さい子供の場合、童話などで分かりやすく説明することも一つの手段です。
- 「いじめ」
- 「いじめられている?」と子供に聞いたとき、ほとんどの子は「いじめられている」と答えません。いじめられている子は、自分を責めてしまい、自分が悪いと思いこんでいる場合が多く、なかなか発見ができません。
いじめの早期発見には、日頃の子供の小さな変化を見逃さないことが大切です。
・友達と遊ばなくなった。・友達やグループが急に変わった。・無口になった。・怒りっぽくなった。・小さい子や小動物にやつあたりするようになった。・体に傷やあざができている。・着替えを隠れてするようになった…等、このような変化が合った場合、特に注意が必要です。
- 「子供部屋は必要か?」
- 小学校高学年以降になると、「自分の部屋が欲しい」というお子さんが増えてくると思います。「親子の会話が減らないか」「ひきこもりになってしまわないか」…心配な親御さんも少なくないのではないでしょうか。
子供部屋を子供の成長に役立つようにする為には、家庭でのルールづくりが必要です。「子供部屋に鍵をかけない」「居間に顔を出してから部屋に入るようにさせる」「夜、勝手に出て行けないような位置の部屋を与える」など、子供の様子をしっかり把握できる環境づくりを心がけてみてください。
- 「1日の出来事」
- 子供に、今日1日の出来事を聞いてあげていますか?
「今日学校でこんな楽しいことがあった」「こんな嬉しいことがあった」「こんなことがあって悲しかった」「これが大変だった」など、子供の話をたくさん聞いてあげましょう。また、親御さんも今日1日の出来事をなるべく子供に話してあげることで、何でも安心して話せる関係を築くことが出来ます。お互いに考えていることを話し合う時間を大切にしてください。